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■第20回入賞発表(8月27日)/選評高橋正子
【金賞】 ★百日紅幹に夕日の滑り落つ/山野きみ子 夕日は低くなって、あらわな百日紅の幹に当たっている。まだ花を高々と咲かせている明るさのなかにも、幹に当たる夕日には一抹の寂しさがあって、日差しに秋めくものがあるのを感じる。 【銀賞】 ★冬瓜の直角見せて切られけり/碇 英一 大きな冬瓜を切れば、その角立つところが、爽やかで印象に残る。「直角」に、煮られたときの透明感を予測させるものがある。 【銅賞】 ★赤とんぼ羽傾けて輝けリ/戸原琴 赤とんぼが物の先に停まり、羽を傾けて光りをまばゆく、反射している。「羽傾けて」は、全反射に近い。技巧のようだが、的確な写生で、自身もそのような心の姿勢をとっている。 【優秀28句】 ★小鳥来る清しさに明け子の発つ日/宮地ゆうこ 夏休みに帰省していた子どもが、また勉学のために帰ってゆくときの親の気持ちである。親子ともども良い休暇が過ごせたことであろう。すがすがしく明けた朝に、その気持ちがある。 ★秋立ちて車中のきものいろいろに/河野 齊 「秋立つ」、その言葉にも秋を感じさせる作用がある。通勤の人たちだろうか、気温の感じ方はそれぞれで、、思い思いに秋めいた服装になっている。それが、「いろいろに」。 ★新涼の朝の珈琲の匂い立つ/都 久俊 ★鯔の飛ぶ水音正しく川のぼる/霧野萬地郎 ★秋茄子の濃き紫を水に放つ/池田和枝 ★黍の穂の大きく揺れて空も揺れ/池田多津子 ★鰯雲茜に暮れて明日も晴れ/金子孝道 ★抜きん出て紫苑咲く朝晴れわたる/宮地ゆうこ ★ハンカチの木に結ばれし登山道/岩本康子 ★なんきんの畑乾いて転がされ/吉田 晃 ★葛咲けり女人高野の登り口/平野あや子 ★秋めくや刃物の町の鎚の音/都 久俊 ★幼き穂内に抱きて萱の伸ぶ/池田多津子 ★女郎花山の棚田の頂に/おおにしひろし ★水平に飛ぶ赤とんぼは透明に/戸原 琴 ★薄野を抜ければ夕日山の端に/堀佐夜子 ★掌に収まり秋の茄子かな/池田和枝 ★稲へ落ち着く朝の空気も夜の空気も/相原弘子 ★透明な梨の雫が刃に伝う/藤田洋子 ★葡萄種頬に含んで風に吹く/小峠静水 ★椿の実活けられしまま割れ始む/磯部勇吉 ★茣蓙敷きて疎開話や蝉時雨/冬山蕗風 ★秋空へ藤枝の突き出るように伸び/日野正人 ★草高き生家なり秋しくの花/鬼頭雅子 <中仙道奈良井宿> ★柘植の櫛買えば宿場は秋の暮れ/古田けいじ ★虫の音(ね)の厚き帳に居寝にけり/岩本康子 ★秋めくや空手着新た男の子/岩崎楽典 ★今朝の空きのうより秋一歩前へ/安増惠子 ▼選者詠/高橋正子 病葉の今朝よりふえぬ空の青 秋めきて朝日は遠き木々に差し ほてい葵いつも岸辺により安し ..2002/ 8/28(Wed)10:20 |
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■第19回入賞発表(8月26日)/選評高橋正子
【金賞】 ★御岳の雲掃われて秋空へ/古田けいじ 懸かっていた雲が払われて御岳の雄姿が現れた。親しんでいる山が、季節を新たにして、秋空にすっきりと聳え立つのがいい。 【銀賞】 ★枝豆をもぐ充実を篭にいれ/守屋光雅 【銅賞】 ★手水舎に小鳥つぎつぎ来ては去る/磯部勇吉 次々に水を飲みに来ては去る小鳥の楽しい姿がある。ほんの少しの水に乾きを潤わせて足りる小動物の生き方がかろやかである。 【優秀24句】 ★秋の陽の洗濯物に来て清し/碇 英一 「秋の日」と、第一句にもってくると、秋の一日のイメージが強くうちだされるので、「秋の陽」とした。秋の日差しの清らかさを、干された洗濯物に差す日差しによく感じ取っている。さりげないところが、清らかで爽やか。 ★庇より空切り舞い出す秋燕/岩本康子 秋燕が弾みをつけて空へ舞いだす姿が快活。静かな秋もあれば、この句の秋燕のように、颯爽と快活であれるのも、秋のよいところである。 ★唐黍の大地の甘みを茹でている/吉田晃 ★蜜柑青く育ち朝の風匂う/藤田洋子 ★感情線深くきざまれ終戦忌/冬山蕗風 <御岳田の原高原> ★御岳へ花野の中をカーブする/古田けいじ ★林檎畑色づき初めて朝の陽に/守屋光雅 ★日に焼けて日本語上手い外国人/澤井 渥 ★晴れ渡る夜明けに音を落し水/相原弘子 ★プリンターより美しく曼珠沙華/冬山蕗風 ★群雀稲穂の海へダイビング/岩崎楽典 ★びょうびょうと枯れ向日葵に風の吹く/右田俊郎 ★路地裏や石蹴りじゃんけん赤蜻蛉/池田和枝 ★月光に白む壁あり影のせて/霧野萬地郎 ★草刈って虫の鳴く声移りけり/都 久俊 ★毬栗の青く落ちたる裏通り/岩崎楽典 ★虫時雨深まる夜の奥へ奥へ/日野正人 ★秋暑し終着駅に入る汽車/山野きみ子 ★鈴虫のそれぞれに鳴き我も一人/池田多津子 ★残照の嚇さも添えてカンナ燃ゆ/下地鉄 ★青柿の光る枝先垣を越ゆ/脇美代子 ★わらわらと蓮の葉返し風の息/おおにしひろし ★開く花火音は後より色幾重/堀佐夜子 ★さわやかに昇る陽の道湾静か/平野あや子 ▼選者詠/高橋正子 虫音しげし花壇の闇の分厚さに 梨の実の冷たさ刃にあり剥き終えて 虫の音の夜更けの音のころころと ..2002/ 8/28(Wed)10:14 |
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■第18回入賞発表(8月23〜25日)/選評高橋正子
【金賞】 ★夏の雲北の高さに押し出され/相沢野風村 処暑のころになると、北の空が遠く高く感じられることがある。その北の空に風に押し出されたかのように一朶の雲が浮かんでいる。すっきりと捉えられた空がよい。 【銀賞】 ★色づきし毬わり栗のこぼれ落つ/右田俊郎 的確な写生で、色づいた栗の毬が、初秋に新鮮である。「こぼれ落つ」に、この句を納得させる力がある。 【銅賞】 ★巨峰買うセロファンごしの豊さを/霧野萬地郎 「セロファンごしの豊かさ」によって、大粒の紫の葡萄のみずみずしさが、よく伝えられている。セロファンの透明感が新しい。 【優秀24句】 ★秋の陽の洗濯物に来て清し/碇 英一 【評】「秋の日」と、第一句にもってくると、秋の一日のイメージが強くうちだされるので、「秋の陽」とした。秋の日差しの清らかさを、干された洗濯物に差す日差しによく感じ取っている。さりげないところが、清らかで爽やか。(高橋正子) ★庇より空切り舞い出す秋燕/岩本康子 【評】秋燕が弾みをつけて空へ舞いだす姿が快活。静かな秋もあれば、この句の秋燕のように、颯爽と快活であれるのも、秋のよいところである。(高橋正子) ★唐黍の大地の甘みを茹でている/吉田晃 ★蜜柑青く育ち朝の風匂う/藤田洋子 ★感情線深くきざまれ終戦忌/冬山蕗風 <御岳田の原高原> ★御岳へ花野の中をカーブする/古田けいじ ★林檎畑色づき初めて朝の陽に/守屋光雅 ★日に焼けて日本語上手い外国人/澤井 渥 ★晴れ渡る夜明けに音を落し水/相原弘子 ★プリンターより美しく曼珠沙華/冬山蕗風 ★群雀稲穂の海へダイビング/岩崎楽典 ★びょうびょうと枯れ向日葵に風の吹く/右田俊郎 ★路地裏や石蹴りじゃんけん赤蜻蛉/池田和枝 ★月光に白む壁あり影のせて/霧野萬地郎 ★草刈って虫の鳴く声移りけり/都 久俊 ★毬栗の青く落ちたる裏通り/岩崎楽典 ★虫時雨深まる夜の奥へ奥へ/日野正人 ★秋暑し終着駅に入る汽車/山野きみ子 ★鈴虫のそれぞれに鳴き我も一人/池田多津子 ★残照の嚇さも添えてカンナ燃ゆ/下地鉄 ★青柿の光る枝先垣を越ゆ/脇美代子 ★わらわらと蓮の葉返し風の息/おおにしひろし ★開く花火音は後より色幾重/堀佐夜子 ★さわやかに昇る陽の道湾静か/平野あや子 ▼選者詠/高橋正子 虫音しげし花壇の闇の分厚さに 梨の実の冷たさ刃にあり剥き終えて 虫の音の夜更けの音のころころと ..2002/ 8/28(Wed)10:09 |
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■第17回入賞発表(8月22日)/選評高橋正子
【金賞】 ★絵日記の花はいろいろ夏休み/鬼頭雅子 子どもの書いた絵日記を、のぞいて見ると、いろんな花が描かれている。朝顔、向日葵のほかにも、百日紅などが描かれていると、とてもいい絵日記のような気がする。 【銀賞】 ★秋天にワシントンヤシの揺れそろう/日野正人 「揺れそろう」に、秋風の爽やかさがある。ワシントンヤシに筒抜けるような空がよく似合っている。 【銅賞】 ★軒下の巣はみな乾く燕去り/霧野萬地郎 「巣はみな乾く」は、心深い。燕の去った巣は、来年まで忘れられたように軒下にあることだろう。 【優秀/27句】 ★残暑なり若者多く献血に/河野 齊 残暑が厳しいにもかかわらず、多くの若者が献血にきてくれて、たのもしく、ここにまっとうな人の姿がある。それを自分の目で捉えた。メディアの報じる若者像に、真偽のほどを問いたい。(高橋正子) ★儚さの大きさをのむ冬瓜汁/戸原 琴 ★いかづちや友の逝きたる空なれば/林 暁兵 ★糸瓜棚とれば秋空どこまでも/おおにしひろし 〈啄木生誕115年コンサート〉 ★ステージにダリアの花のコンサート/守屋光雅 ★決断のレモン半分搾りきる/馬場江都 ★秋光に包まれ眠る嬰児よ/祝 恵子 ★浅き闇来て蜩の鳴き止みぬ/藤田洋子 ★処暑の風西へくるりと風見鶏/池田和枝 ★白きもの膨らみ秋風駆け抜ける/山野きみ子 ★満月や円周の線くっきりと/相沢野風村 ★施餓鬼了え寺の家族に見送らる/馬場江都 ★蜻蛉の翅をゆるめて葉の先に/藤田洋子 ★見はるかすここはジパング稲の花/小原亜子 ★新涼の朝餉のパンのしっとりと/やぎたかこ ★鳥威しあかい色からひらひらと/相原弘子 ★朝日差し部屋いっぱいに秋が来た/堀佐夜子 ★はしゃぎつつ稲田の空へ群雀/岩崎楽典 ★爽やかな影の広がる帰り道/吉田 晃 ★友の訃の受話器戻せば蝉しぐれ/林 暁兵 ★芋の葉に受ける雫の土に散る/山野きみ子 ★帰宅してまず窓開ける夏座敷/冬山蕗風 ★草むらにボール転がり蜻蛉あまた/相沢野風村 ★こども等の笑顔弾けるキャンプ場/岩本康子 ★寄す波の源に秋あるのかも/澤井 渥 ★土つきの甘藷売ってる道の駅/都 久俊 ★早稲実る鎮守の森のひろがりに/宮地ゆうこ ▼選者詠/高橋正子 俎板に星の形のオクラ切る 縫う布に光返りて法師蝉 夕焼けの静まるときの海の上に ..2002/ 8/24(Sat)13:41 |
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■第16回入賞発表(8月21日)/選評高橋正子
【金賞】 ★八月の満月近し門扉閉ず/堀佐夜子 「満月近し」は、ほぼ満月ということで、「近し」は、曖昧だが詠み手の工夫であろう。一日を門扉ときちんと閉めて月を見て終わる。それが良い。 【銀賞】 ★稲田の上を新幹線のすれ違う/相沢野風村(信之添削) すっきりと広がる稲田の上を走る、新幹線のスピード感が爽快。 【銅賞】 ★足場組む上へと徐々に秋空へ/祝恵子 足場が徐々に組まれ行く様子を見上げて、秋空をよく感じている。丁寧な写生がよい。 【優秀/22句】 ★新藁の香り倉庫に充ちている/池田多津子(正子添削) ★天からの風の吹きたる今朝の秋/岩本康子 ★実椿の色艶着きて大き玉/馬場江都 ★宙の闇膨らんでゆく虫の夜/磯部勇吉 ★大庇より立秋の雲生まる/林 暁兵 ★図書館を出て初秋の風に会う/多田有花 ★豆腐屋のエプロン真白涼新た/平野あや子 ★夕風の月より届きやわらかし/戸原琴 ★風に耐ゆる垂穂の向きの揃いたる/碇英一(正子添削) ★土手の道下流へ歩む秋風と/岩崎楽典 ★踊り輪に斜めに入る上手い人/河ひろこ ★遠き街秋灯煌めき無機質に/馬場江都 ★腹わたの苦きはよけれ焼き秋刀魚/守屋光雅 ★花野ゆく優しきものに触れんとし/山野きみ子(正子添削) ★地階出れば光も風も秋の色/古田けいじ (正子添削) ★ラケットの持ち方変えて秋高し/磯部勇吉 ★一枚の秋の簾に音の透ける/小峠静水 ★秋立ちてみっつ地を蹴り自転車に/林暁兵 ★ぐつぐつとジャム煮る匂い秋日澄む/平野あや子 ★高原へ道つづら折り青蜜柑/霧野萬地郎 ★エンヤ聴く野紺の菊を部屋に入れ/おおにしひろし ★書き終えて日記閉じれば流れ星/右田俊郎 ▼選者詠/高橋正子 壁泉の落ちるにまかす秋初め ひやひやと水を満たして備前の花器 新涼の手縫える布のやわらかに ..2002/ 8/24(Sat)13:40 |
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■第15回入賞発表(8月20日)/選評高橋正子
【金賞】 ★早稲熟れて荒波寄せる土佐の海/都久俊 早稲の熟れる土佐の光景が明るく、実感がある。荒波が醸し出すイメージに、早稲の豊かな熟れ具合が、目に見えるようである。 【銀賞】 ★芋の葉の露を硯へなめらかに/霧野萬地郎 七夕には、芋の葉露をとって硯に移して使う。たっぷりと取れた葉露を、しずかに硯へ移してこれから擦ろうとしている。その爽やかな気持ち、爽やかな生活がいい。 【銅賞】 ★秋風鈴を夜風が庭に来て鳴らす/吉田晃(正子添削) 夜風が庭に来て鳴らす風鈴の音色に、秋が感じられるようになった。夜風の遊び心に、秋の涼しさがある。 【優秀/24句】 ★十階に癌を見舞えば遠花火/林暁兵 ★新涼の山を越し来て湯につかる/林緑丘 ★虫の声聞きつ朝(あした)の顔洗う/岩崎楽典 ★秋風に大工の仕事捗れり/岩本康子 ★秋涼し流るる雲の止まるなし/碇英一 ★秋風もすくって昇る観覧車/小原亜子 ★皿に垂る醤油の薄さ秋涼し/宮地ゆう子 ★泉の音を枕に母と昼寝する/やぎたかこ ★月白の網戸の向こうの夜一つ/日野正人 ★海光へ騒ぐ竹薮秋初め/相原弘子 ★今年梨暑さ吸い込み玉太き/相沢野風村 ★身をまかす風に揺られて秋簾/加納淑子 ★鉄骨の赤の切り取る秋の空/岩本康子 ★海を見に夏の名残の光くぐり/相原弘子 ★初秋の石仏列に花のあり/祝恵子 ★ゆっくりと霊車出で行く秋風裡/堀佐夜子 ★芝刈るや庭に涼しき風流る/冬山蕗風 ★銀杏(ぎんなん)の豊かに太き枝も揺れ/古田けいじ ★野分き過ぎ異国へ旅立つ吾子の朝/右田俊郎 ★新涼の幼な髪梳く柘植の櫛/平野あや子 ★秋めくや窓より入りし朝の風/多田有花 ★稜線の際立ちてあり秋の空/池田多津子 ★銀紙にガムの硬さや秋初め/相沢野風村 ★濡れいろのアベリア白く今朝の秋/おおにしひろし ▼選者詠/高橋正子 葡萄みどり皿に出されて風を得ぬ 新涼の窓の青さに布を裁つ 壁泉の落ちて秋風ゆたかなり ..2002/ 8/22(Thu)11:33 |
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■第14回入賞発表(8月16〜19日)/選評高橋正子
【金賞】 ★朝市やぶどうの葉に乗せぶどう売る/戸原琴 朝市で売られているぶどうの露けさが、「ぶどうの葉に乗せ」で十分に詠まれている。ぶどうの葉の切れ込みや、少し枯れかけた色合いなど、絵心を誘われる。 【銀賞】 ★海よりの風白かりき盆の過ぎ/岩本康子 お盆が過ぎると、やっと落ち着いた心持ちになる。吹く風もしらしらと感じられて、一夏の終わりを思う。新涼の季節がそこまで来ている。 【銅賞】 ★秋涼し転入生の靴二足/日野正人 「秋涼し」を覚えるころ、転入生がやってきた。二人なので靴が二足ということであろうが、きちんと揃えられた靴が、中学生らしく爽やかである。 【優秀T/16句】 ★峠越え海爽やかに青さ増す/多田有花 ★わが町を高く流れる秋の雲/吉田 晃 ★送り火や優しきものの昇り行く/大石和堂 ★日雷河原濡らして行ってしまう/大西ひろし ★踊子の手の柔らかく空を切る/守屋光雅 ★存分に働き午後のカンナ燃ゆ/野田ゆたか ★故郷の空に連なる鰯雲/青海俊伯 ★一箱の桃を降ろせる風通し/相原弘子 ★夕焼けを満たして公園閉門す/脇美代子 ★縦走の終わりに望む大西日/能作靖雄 ★ふるさとの畳一枚涼新た/やぎたかこ ★かなかなの鳴き出し朝日の出る頃に/祝 恵子 ★二重三重残せし水輪にとんぼ行く/碇 英一 ★秋茜夕日の中に浮いている/池田多津子 ★古代の里夕陽輝きとんぼ飛ぶ/祝恵子 ★交差して光走れり鳥威し/碇 英一 【優秀U/20句】 ★法がさき妙も消えたり五山の火/小峠静水 ★平らかな湾夕暮れてカンナ燃ゆ/霧野萬地郎 ★芙蓉咲く瀬戸の風巻く船溜り/池田和枝 ★街中の木立にひぐらし聴きに来し/山野きみ子 ★口中に青さほんのり青林檎/岩崎楽典 ★新涼や道より宮に一礼す/大給圭泉 ★夕立のガラス戸撥ねて向こうは晴れ/堀佐夜子 ★背泳ぎで青空いっぱい吸いにけり/河 ひろこ ★みんみんの波に全身揺す振らる/磯部勇吉 ★読破して熱き心へ天の川/宮地ゆうこ ★ひぐらしや岬の先端夕暮れる/右田俊郎 ★秋燕の高く高くに翻る/澤井 渥 ★稲穂曲げ畦路風に見え隠れ/相沢野風村 ★子去りしかなかなとすごす夕べかな/鬼頭雅子 ★五百羅漢居並ぶ上で法師蝉/都 久俊 ★一人抱き一人手つなぎ秋の虹/古田けいじ ★芝刈るや夏草の芽が顔をもたげ/冬山蕗風 ★鈴生に垂れ下りたる栗畑/津村昭彦 ★冬瓜の置場所移す小厨/馬場江都 ★久々に新涼の午後大の字に/安丸てつじ ▼選者詠/高橋正子 萱すでに晩夏の風をほしいまま 盆太鼓遠き音とし聞きいたり 湖に花火の仕掛けをして待てる ..2002/ 8/22(Thu)11:30 |
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■第13回入賞発表(8月15日)/選評高橋信之
【金賞】 ★ひたすらに沖まっすぐな終戦日/池田和枝 【銀賞】 ★緩やかな水の流れてお盆くる/青海俊伯 お盆が来れば、「緩やか」でゆっくりとした時間になる。昔の時間が戻って、時代の流れの中で失われかけた自分を取り戻す。 【銅賞】 ★丸のままトマト齧りし敗戦忌/都 久俊 8月15日の「敗戦」の記憶は、食べ物にあり、それほど飢えていた。飽食の時代を不思議に思う。 【優秀/16句】 ★枝豆のみどり美し帰郷かな/碇 英一 ★青天やしおからとんぼ青すぎる/大石和堂 ★名水のお茶を供える盆の朝/池田多津子 ★日盛りのどの秋色も隠さずに/おおにしひろし ★八月を振り返るたび空の碧/堀佐夜子 ★線香の灰重なりて盆供養/相沢野風村 ★烏瓜小さな青が蔓の中/相原弘子 ★鬼灯は下から色づき売られけり/古田けいじ ★花ジンジャ香の満つ庭のベルを押す/平野あや子 ★兄弟の走り競走百日紅/大給圭泉 ★ひかり号おくにことばや盆帰省/祝恵子 ★新涼の波の音聞く松林/多田有花 ★喪の客となりて残暑の中に立つ/小原亜子 ★終戦の長き日蝉の鳴き続く/山野きみ子 ★光澄む朝なりけり秋は其処/岩本康子 ★秋入日と併走している我も朱/日野正人 ..2002/ 8/22(Thu)11:29 |
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by 管理人
■第12回入賞発表(8月14日)/選評高橋信之 【金賞】 ★幼らの素足の音の板の間に/守屋光雅 【銀賞】 ★盆提灯ともされ少し風に揺れ/岩本康子 「少し」に、いい抒情がある。亡き人への想いがある。 【銅賞】 ★りんどうをたっぷり抱へ祖父の墓/池田和枝 生前の「祖父」とのいい関係が偲ばれる句。「たっぷり」である。 【優秀/16句】 ★走り穂の葉擦れの音の乾きたる/碇 英一 ★盆の雨山を隠してしばらく降る/相原弘子 ★ふるさとの稲穂色づく三層に/やぎたかこ ★樹より樹へとんぼ翅透き風を切る/山野きみ子 ★向日葵の一本高く村静か/やぎたかこ ★両手からこぼれるほどの房葡萄/池田多津子 ★朝日さす湧き水汲みて墓洗う/池田多津子 ★急階段寺は見えずに雲の峰/戸原琴 ★阿波踊り下駄のリズムの揃い行く/おおにしひろし ★喜雨去りて耕し畑黒々と/相沢野風村 ★水匂う宙に目さだむ赤とんぼ/霧野萬地郎 ★雨上がり秋の夕べの道光る/日野正人 ★帰宅時に顔を横切る風涼し/津村昭彦 ★透く光ノースリーブの似合う空/右田俊郎 ★あの頃は皆赤貧よ盆三日月/堀佐夜子 ★霊園の山風にのり法師蝉/石井信雄 ..2002/ 8/22(Thu)11:28 |
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■第11回入賞発表(8月13日)/選評高橋信之
【金賞】 ★新しき茣蓙の香りて盆用意/藤田洋子 「新しき茣蓙」は、亡き人を想っての優しさである。今も生きておられるかのように想って、「新しき茣蓙」を敷く。 【銀賞】 ★ひろびろと山の裾まで稲の秋/池田多津子 【銅賞】 ★空澄みてぽんぽん船とちぎれ雲/堀佐夜子 【優秀/23句】 ★オクラ切るあおあおとして子らの日々/宮地ゆうこ 季語はありませんが、夏の季感があります。 ★水美しく落ち続き稲の花/碇英一(信之添削) <南四国自転車行> ★明けてくる水平線や秋怒涛/多田有花 ★青鷺の魚刺し上げて見せにけり/磯部勇吉 ★指で圧す風船葛に空気あり/岩崎楽典 ★秋初めワイングラスの音軽く/山野きみ子 ★新涼や飽きずに回す万華鏡/加納淑子 ★父と子の踊太鼓の猛々し/池田和枝 ★真っ先に耳が秋と出会う丘/大石和堂 ★りんどうの藍濃いかりし墓前かな/岩本康子 ★盆花の先の重さを抱き帰る/やぎたかこ ★父に供う黒き塗り箸に冷奴/戸原琴 ★戸を広く開けて迎え火母を呼び/霧野萬地郎 ★盆用意メモ一つづつ消しながら/馬場江都 ★丘登る墓参の母の白い傘/能作靖雄 ★濃く淡く紀伊の山並秋涼し/平野あや子 ★扇風機首振る幅にわれ座る/小峠静水 ★立つ女(ひと)の香りさやかに芦屋過ぐ/安丸てつじ ★真心の輝き並ぶ星月夜/日野正人 ★月光に踊る手の技風の盆/大給圭泉 ★ぶどう買う長良の川風届く道/古田けいじ ★曲がりきて花葛匂う朝の道/脇美代子 ★どっさりと砂を盛り上げ蟻動く/相沢野風村 |