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■第10回入賞発表(8月12日)/選評高橋正子@
【金賞】 ★朝市に麻殻軽き白を買う/池田多津子 迎え火などに使う麻殻が軽くて白い。清らかで儚い。風がすずしい朝市で買うから、余計に軽さ、白さを感じてしまうのだろう。 【銀賞】 ★出穂の香に包まれ歩む散歩道/岩崎楽典 出始めたばかりの穂田の近くを歩くと、その温かい香りに触れて、懐かしく故郷を思うような気持ちになる。 【銅賞】 ★マニキュアの色新しく秋に入る/多田有花 暦の上だけとは言え、秋になったことはうれしい。マニキュアの色を秋らしい色に変えるもの、その心の表れ。心があたらしい。 ..2002/ 8/22(Thu)8:58 |
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■第10回入賞発表(8月12日)/選評高橋正子A
【優秀/22句】 ★夏暁を破る野川の水の音/徳毛あさ子 ★秋涼し鶉が鳴いて手をつつき/相原弘子 ★窓全開秋雲入れて児と遊ぶ/祝恵子 ★韃靼に落ちし夕日や夏惜しむ/磯部勇吉 ★郭公の声の近さよ淡路島/大給圭泉 ★さわさわと盆の風吹く街歩く/岩本康子 ★鰯雲街を離れて走る汽車/山野きみ子 ★河川敷の夕日眩しき秋の橋/堀佐夜子(正子添削) ★戸袋に野分の力溜まり来る/小峠静水 ★新涼の書店にインクの香り立つ/馬場江都 ★寝伸びする嬰児の手にも秋の立つ/下地鉄 ★秋の燈の静かに燈る峠道/日野正人 ★萱の穂の空透けている朝の土手/碇 英一(信之添削) ★身のほてりようよう静め氷水/霧野萬地郎 ★朝顔の蔓のとまどい風が添う/山野きみ子 ★新米の一粒まるき影をもつ/宮地ゆうこ ★夏ちしゃの乳汁哀し夕摘めば/脇美代子 ★秋光をしたたかに溜め柘榴の実/おおにしひろし ★百日紅その背景の空の青/右田俊郎 ★甘瓢の二つは持てず畠の中/守屋光雅 ★山峡に広がる早稲や黄金色/冬山蕗風 ★蜩や吊橋わたる一人旅/石井信雄 ★色づきし鬼灯持てる隣り席/古田けいじ(信之添削) ▼選者詠/高橋正子 星涼し月に一つが従いて 盆の街行き交う人をみな知らず 百合の黄を挿す編み籠の透けている ..2002/ 8/22(Thu)8:58 |
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■第9回入賞発表(8月9日〜11日)/選評高橋正子@
【金賞】 ★栗の毬日ごと日ごとのたくましき/堀幹夫 栗の毬の日ごとに育ちゆく、弾けるような力が、季節の新しさをよく伝えている。 【銀賞】 ★潮の目を抜けゆく船や今朝の秋/野田ゆたか 「潮目を抜けゆく」が、「今朝の秋」そのものを感じさせてくれる。潮目を抜けるように走る船が軽やかで、爽やかである。 【銅賞】 ★新涼や赤子の髪のふわふわと/大給圭泉 ..2002/ 8/22(Thu)8:57 |
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■第9回入賞発表(8月9日〜11日)/選評高橋正子A
【優秀T/18句】 ★炊き上げてあおき匂いの今年米/宮地ゆうこ 新米は、炊き上がると、幾分青さえ感じさせる白い色である。若いあおさであろう。炊き上がった匂いも「あお」を感じる、ういういしい匂いである。 ★風澄めば群れを静かに赤蜻蛉/加納淑子 ★立秋の野菜摘みたる手を洗う/碇英一 ★露草の群れて田水に打たれけり/脇美代子 ★新松子しっかり緑を握りしめ/岩崎楽典 ★鶏頭花空気の乾きよきところ/相原弘子 ★風鈴のいつしか雨の音色なる/藤田洋子 ★縞萱の風の流れに生けてある/池田多津子 ★流灯の闇に押されて流れ行く/小峠静水 ★沖を向く吾もかもめも素足にて/霧野萬地郎 ★新しき風来る露草写す時/古田けいじ ★緑陰に張りしロープにシャツを干す/磯部勇吉 ★コーヒーの香り事務所に秋立つ日/多田有花 ★新涼の夕べ明るき楠並木/戸原琴 ★新涼の高きに立てば船光る/吉田晃 ★踝に色なき風の触れもして/堀佐夜子 ★雲浮かび明るき空よ秋立つ日/祝恵子 ★きらめきて豊かな光赤とんぼ/右田俊郎 ..2002/ 8/22(Thu)8:56 |
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■第9回入賞発表(8月9日〜11日)/選評高橋正子B
【優秀U/19句】 ★今朝秋やラジオ体操風の中/鬼頭雅子 ★秋に入る石屋は夜に石を彫る/守屋光雅 ★切り立った三角並ぶ山西瓜/日野正人 ★近道を歩く明るさ草の花/相原弘子 ★無花果をもぎたる後の乳溢る/碇 英一 ★炎天を弾き返して大樹立つ/山野きみ子 ★落ち蝉の羽薄みどり樹に戻す/岩本康子 ★藍染めの汁こぼれしや露草に/やぎたかこ ★秋水の音色たしかむ山肌に/平野あや子 ★吹く風に背中押されて夜の秋/青海俊伯 ★日焼けしてスケッチブックに旅を詰め/池田和枝 ★銀漢の下を戻りて涼しさよ/おおにしひろし ★久方の雨に色付く稲田かな/能作靖雄 ★手を振って娘が近づく夏銀座/河ひろこ ★空澄みて鐘の音遠し原爆忌/下地鉄 ★秋立つや飄々として縁に坐す/石井信雄 ★立秋の空澄み渡り雲白く/冬山蕗風 ★御岳山レンゲショウマ咲き乱れ/津村昭彦 ★秋暑しゴッホ展せし美術館/都 久俊 ▼選者詠 高橋正子 小さければ小さな街の揚花火 風ありて花火きらきら吹かれ落つ 花火消え港の闇のなつかしき ..2002/ 8/22(Thu)8:56 |
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■第8回入賞発表(8月8日)/選評高橋正子@
【金賞】 ★畦一本秋立つ風の中にあり/霧野萬地郎(正子添削) 「畦一本」は、目にさやか。立秋の風の中に一本の畦が颯爽と貫いている。 【銀賞】 ★今朝の秋風に新たな音がある/山野きみ子 今朝の秋を、はつらつとした気持ちで迎えている。秋を、風の音にいち早く察知した。 【銅賞】 ★明るくて簾の内に家族あり/碇 英一 簾の内の団欒の明るさが、涼しそうで、心和む。「簾の内」は、家族を支える者としての包容力の表出。 ..2002/ 8/22(Thu)8:54 |
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■第8回入賞発表(8月8日)/選評高橋正子A
【優秀/19句】 ★背伸びして明るき空ある今日の秋/日野正人 今日の空は秋だと思うと、思い切り背伸びをしたくなる。空の高さが極まりなく高い。 ★立秋の空広々と明けにけり/加納淑子 立秋の空がどこまでも広々と明けて、心が弾む。心弾ませていい一日になりそうである。 ★落ち蝉に触れれば即と鳴いて飛ぶ/祝恵子 ★昨日より高き水位に動く浮巣/小峠静水 ★山門を入るや夕蝉鳴きはじむ/石井信雄 ★無造作に裏の畑にダリア咲く/吉田 晃 ★雨洗う空気を蜻蛉飛び交えり/藤田洋子(正子添削) ★早稲を刈るハンドル軽し青い空/池田多津子 ★初鳴きの蟋蟀草陰を住処に/鬼頭雅子(正子添削) ★秋立つ日風に吹かれて山を見る/岩本康子 ★毬栗の棘の青さが転がりぬ/脇美代子(正子添削) ★蚊帳吊り草を孫と作れば真っ四角/古田けいじ(正子添削) ★夕暮れて蟋蟀一つ鳴き初めり/磯部勇吉 ★蝉の声聞きつ床屋の開くを待つ/岩崎楽典 (昭和20年頃の記憶) ★B24の爆音響く壕暑し/堀佐夜子 ★新盆や主亡き座敷青たたみ/能作靖雄 ★夕暮れて藍の空なり月見草/右田俊郎 ★短冊竹幼き文字が風に揺れ/守屋光雅 ★湯上がりに庭に佇み秋の風/冬山蕗風(正子添削) ▼選者詠/高橋正子 ラバに立てすぐ夏風の日章旗 レモンくれぬ登山のほてり高まるに 八方の街の灯さびし富士登山 ..2002/ 8/22(Thu)8:53 |
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■第7回入賞発表(8月7日)/選評高橋正子@
【金賞】 ★混ざりゆく潮の濃淡秋立ちぬ/平野あや子 いつも眺めている海の潮に、今日は濃い色に流れる潮と、淡い色に流れる潮が、互いに流れ合い混じり合って、秋立つ日の色となっている。海辺の生活者の実感が、さわやか。 【銀賞】 ★八月の光ふっと翳りたり/岩本康子 七月の真盛りの光を経験したあとに、真盛りをすぎれば、光はやや翳りを持つ。八月の光に、ふっとそれを感じることがある。その光を感じれば、思いは自然に、戦争や亡き人へと繋がってゆく。 【銅賞】 ★サルビアの遠のくほどに燃え盛る/藤田洋子 サルビアは、炎昼の暑さにもめげず、赤い色を燃え立たせている。遠くのものほど、赤が際立って印象に残るという。心の奥に寂しさのある八月の風景である。 ..2002/ 8/22(Thu)8:52 |
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■第7回入賞発表(8月7日)/選評高橋正子A
【優秀/19句】 ★夕暮れて涼しき田道立ち話/祝恵子 夕風が立つころの田道の涼しさが、快く詠まれている。夕風の心地よさに家に入るのをついつい忘れそうである。 ★立ち読みの午後の色読む秋隣/小峠静水 本屋での立ち読みのページに、秋色を感じたのであろう。「午後の色」は、抽象的だが、朝の淡い色ではなく、午後の深みのある色を具体的に述べる結果となっている。秋隣を感じるときである。 ★鷺草のいつも青空飛ぶ形/古田けいじ ★夏霧の向こうの湖を思いおり/やぎたかこ ★通り雨過ぎて青柿雫きたる/能作靖雄(信之添削) ★乾くのみの晩夏の畑鍬の音/相原弘子 ★ネットカフェ静かな夏の空気あり/多田有花 ★唖蝉の鳴かぬ心を思いけり/加納淑子 ★風鈴の細き音色に夜の更ける/冬山蕗風 ★蒼穹を流る夏雲夜もなお/碇 英一 ★木々ゆれてひときわ高く蝉しぐれ/津村昭彦(正子添削) ★銀色の瑠璃玉薊の棘涼し/戸原琴 ★鬼蓮やガスバーナーに点火せり/磯部勇吉 ★今朝秋と思い絵筆を摂りにけり/都 久俊 ★陽と遊ぶ夾竹桃の昼下がり/霧野萬地郎 ★そっと指に空蝉の色美しき/堀佐夜子(正子添削) ★軒並みの七夕かざりに風さわぐ/池田多津子 ★ふるさとの七夕祭り笹のゆれ/右田俊郎 ★帰省子の畳にあまる大の字に/宮地ゆうこ(正子添削) ..2002/ 8/22(Thu)8:52 |
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■第6回入賞発表(8月6日)/選評高橋正子選@
【金賞】 ★夏の旅終わりて空の高かりき/岩本康子(信之添削) 夏のさまざまな旅を終えて、すっきりした気持ちとなった。気づけば、空は抜けるように高く、秋の気配さえ感じられる。洗心の句。 【銀賞】 ★照り出され街のどこかに雷の落つ/戸原琴(信之添削) 街が一瞬、雷光の幾万ボルトの明かりを受けて、ぱっと明るくなる。落雷の明かりに、不思議な幻想的な街が出現している。 【銅賞】 ★七夕笹日の出を待たず伐り出され/相原弘子 七夕笹は、朝露の乾かぬうちに切り出される。あの青い笹の葉が、水をおろして葉をしらしらと巻いてしまうのは、興ざめである。七夕笹は、ことに青く、さらさらとしているのがよい。 ..2002/ 8/22(Thu)4:39 |
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■第6回入賞発表(8月6日)/選評高橋正子選A
【優秀/19句】 ★回廊に梅並べ干す能登の寺/馬場江都 能登といえば、静かなさびしさが付き纏うが、この「能登の寺」もそうである。炎日の回廊に梅を並べ干して、いかにも能登のお寺らしい。保存食である梅干を丁寧に作り上げるところに、お寺の生活がある。 ★蝉の客向こうの木蔭に坐り居て/碇 英一 「蝉の客」とは、楽しい捉え方。大きな樹の木陰で、蝉のお客となって蝉声を聞いている。それを向こうに見ているのは作者。戯画のようであるが、涼しそうで洒脱なところがよい。 ★初めてのこおろぎ橋を急ぐ時/古田けいじ ★子の顔のすべすべとして青花梨/磯部勇吉 <河口湖水煙フェスティバル> ★日焼けせる顔を再び富士に向け/多田有花 ★夏草の香を舞いあげて刈られゆく/山野きみ子 ★稔りゆく匂いに満ちて青田風/脇美代子 ★買って飲む水に馴染めり原爆忌/加納淑子 ★峰雲を真横に眺めバイク乗る/日野正人 ★信号の点滅待つやみんみん蝉/冬山蕗風 ★頭だけ見える富士山月見草/やぎたかこ(富士急行) ★寺町の坂道流る夕立かな/大給圭泉 ★里帰り待つ停車場にカノコユリ/能作靖雄 ★灼熱の太陽今も原爆忌/池田多津子 ★ソーダ水消えゆく泡に遠き日々/右田俊郎 ★造り滝川に注ぐは音ばかり/岩崎楽典 ★回覧板朱の字の至急秋隣/堀佐夜子 ★墨を磨る手もと涼しく紙の白/宮地ゆうこ <秋田竿灯祭りにて> ★御幣揺れ脚鋭角に汗落つる/相沢野風村 ..2002/ 8/22(Thu)4:38 |
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■第5回入賞発表(8月5日)/選評高橋正子@
【金賞】 ★遠雷の残らず耳に届きくる/相原弘子 遠い雷に耳を貸し、すっかりその行方を聞き届けているところに、隅々に対する注意があって面白い。 【銀賞】 ★青柿の朝の空気にくっきりと/馬場江都 青柿の色と形が、涼しげである。朝涼の気持ちがよくでている。 【銅賞】 ★新米の升よりあふれ音零す/宮地ゆうこ 新米を手にする嬉しさが、「音零す」に表現されている。はや、高知からは新米収穫の句が届いて、季節の移り変わりの早さを実感した。 ..2002/ 8/22(Thu)4:33 |
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■第5回入賞発表(8月5日)/選評高橋正子A
【優秀/20句】 ★近づけば親しみ湧きぬ夏の富士/やぎ たかこ 夏富士の麓まできて、富士を身近に、目の前にした感慨が、「親しみ湧きぬ」である。富士に触れる位置まで来た嬉しさが、さわやか。 ★家々に稲の黄色の映える朝/池田多津子 家々の周りに田んぼを持っている農村地帯の風景だが、黄色く色づき始めた田んぼが、目に鮮やかで、世界が新鮮である。 ★大窓に西日を迎える木の校舎/日野正人 ★緑陰より金管楽器の音合わせ/藤田洋子 ★貝殻や絵模様残して夏の浜/河 ひろこ ★川とんぼ水の匂いに羽とじる/池田多津子 ★靄立てる湖面に釣り舟秋近し/岩本康子 ★旅終えし妻の夜濯ぎ語りかな/碇 英一 ★百日紅明日も良き日と思ひけり/加納淑子 ★信号で止まる度見る積乱雲/古田けいじ ★わが影に座りてバス停炎天下/小峠静水 ★ワンマン電車がたごとかたと大青田/磯部勇吉 ★花火上がる音に揺らぎしもやい綱/平野あや子 ★路地裏を飾って華やぐ祭りかな/右田俊郎 ★帰り行く尼僧夏野を横切りて/脇美代子 ★川涼し戻りの船に灯がともる/山野きみ子 ★朝富士の見えて涼しき展望台/堀佐夜子 ★街灯の根元で朝を甲虫/岩崎楽典 <河口湖水煙フェスティバル> ★夏富士を大きく入れて朝の窓/多田有花 ★風鈴の音に軽やか昼の風/冬山蕗風(正子添削) ..2002/ 8/22(Thu)4:33 |
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■第4回入賞発表(8月4日)/選評高橋正子@
【金賞】 ★測量杭打てり夏草光る土手/大西ひろし 夏草に思いきり杭を打ち込む力強さがよい。力が輝いて見える。 【銀賞】 ★雲灼けて時計塔針の遅遅として/山野きみ子 「雲灼けて」に精神が集中されていく緊張感がある。それと対照的に時計塔の針がゆっくりと時を刻む。真夏の時が的確に捉えられている。 【銅賞】 ★よく冷えて四角のしまる冷奴/藤田洋子 よく冷えた冷奴は、角が立って見た目にも涼しそうである。「四角のしまる」は、豆腐を扱いなれた主婦の実感。 ..2002/ 8/22(Thu)4:22 |
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■第4回入賞発表(8月4日)/選評高橋正子A
【優秀/23句】 ★白桃の箱の静かな香りかな/戸原琴 白桃の並んだ箱には、手を触れがたい。それを見る目に、しずかな香りが漂ってくる。触れがたくしずかな物の香りがよい。 ★山のこと語りたき日よ雲の峰/野田ゆたか 青い山を越えて雲が湧きあがると、山のことを語りたくなる。山の涼しさ、登山の汗、どこそこの山、登っただれそれのことなど。山についての尽きぬ思いがある。「雲の峰」には、そういったものを思い出させるものがある。 ★がれば過ぎ馬待つ辺りクルマユリ/霧野萬地郎 「がれば」は、富士山の「がれば」のことである。頂上から長い「がれば」を黙々と下ってくると、登山馬の待つ辺りの木下に、オレンジ色のかれんなクルマユリが咲いている。草木や馬にほっと心なごむ辺りである。五合目登山口へいよいよ近づいている。 ★朝風の路地ゆく匂ひ秋めく日/加納淑子 ★音圧が緩やかに下がる蝉時雨/日野正人 ★富士下りて舌に溶けゆく氷菓かな/多田有花 ★薬屋の生薬匂う片かげり/宮地ゆうこ ★夏凛々し歌劇学校生徒達/安丸てつじ ★朝凉しホースの水が風に散り/安田明子 ★今日もまたいかづち寄り来だんだんと/岩崎楽典 ★夏木立雲はがれゆく湖の空/大給 圭泉 ★竹落ち葉踏む足裏の柔らかさ/右田俊郎 〈盛岡さんさ踊り〉 ★浴衣着の口紅選ぶ化粧店/守屋光雅 ★踏み込みて草丈高き夏野かな/脇美代子 ★夏草の種持ちきょうも揺れやまず/相原弘子 ★森を行くまだ濡れている蝉時雨/古田けいじ ..2002/ 8/22(Thu)4:21 |
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■第3回入賞発表(8月1日〜3日)/選評高橋正子@
【金賞】 <富士山頂俳句リーディング> ★富士山頂風に我が句を唱えけり/多田有花 富士山頂での俳句朗読は、山頂を吹く風の中で行われた。声はたちまち風にさらわれてしまう。読みつづける声は、風に句を唱えるようであった。季感は、夏。 【銀賞】 ★ふくらみを涼しく見せて旅鞄/相原弘子 そこに置かれた旅行鞄のふくらみ具合が、目に、はっきり、さやかに残って、すずしくさえ思える。夏の旅行がすずしい気持ちであるのは、なによりいい旅行だといえる。 【銅賞】 ★芒の穂ひんやりとして重たかり/磯部勇吉 朝の芒の穂であろうか。露をしずかに含んで、ひんやりとして重い。秋の気配が「ひんやりに」よく感じられる。 ..2002/ 8/22(Thu)4:15 |
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■第3回入賞発表(8月1日〜3日)/選評高橋正子A
【優秀/20句】 ★迎火や石に色あり風立ちて/小峠静水 迎火を焚く門先に、風が静かに吹いて、石さえ、目にさわやかに映る。「石に色あり」と感じることである。このさやかなときは、迎火を焚くに相応しい時といえる。 ★白百合の富士の裾野咲きにけり/戸原琴 富士の裾野の高原は、日差しも瀟洒に、少し黄ばんで感じられる。そこの松林に白百合が細い茎に白い花をつけている景色だろうが、高原らしい清らかさがある。 ★もろこしを焼いて匂いを売りにける/堀佐夜子 とうもろこしを焼く、香ばしく郷愁のある匂いに、誰もがまず誘われる。その匂いを買いたくなる。「匂いを売りにける」は、当を得ている。楽しい句。 ★岩清水ゆらゆら冷やす熟れトマト/能作靖雄 「ゆらゆら冷やす」に、岩清水の冷たさがよく感じられます。 ★夕月の色に開きて月見草/加納淑子 ★髪梳けば突と夕立の激しかり/平野あや子 ★住職に会えば外してサングラス/野田ゆたか ★終日を斜線の中に富士登る/霧野萬地郎 ★黒富士の凛とそびゆる夏の宵/大給圭泉 ★帰り着けば野牡丹の濃く開きおり/祝恵子 ★百日紅の白ゆさゆさと高き塀/馬場江都 ★明日には夕顔ひらくふくらみに/藤田洋子 ★朝涼の足裏に軽き青畳/脇美代子 ★遠花火夜空の隅のひとかけら/山野きみ子 ★露草や木曾馬すっと寄り来たる/やぎ たかこ ★午前二時我も一人の富士道者/守屋光雅 ★梢吹く風にゆらゆら百日紅/都 久俊(正子添削) ★雨上がり静かに虫の鳴き初むる/宮地ゆうこ ★山清水喉から涼しさ全身に/冬山蕗風 ★車窓から過ぎ行く友や夜の秋/下地鉄 ..2002/ 8/22(Thu)4:13 |
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■第2回入賞発表(7月22日〜31日)/選評高橋正子
【最優秀/3句】 ★海の絵の涼しさあふる待合室/宮地ゆうこ 海の絵があれば、待合室も涼しげに思えますね。海の絵が、まるで本物の景色のようです。 ★あかつきの空透き抜けて蝉の声/堀佐夜子 ★湧き水をペットボトルに蝉時雨/冬山蕗風 【優秀/12句】 ★ブロンズ像青葉の雨にうたれおり/祝恵子 ブロンズ像は、緑の木の中に置かれているのでしょう。雨の時には、少し憂えた表情になりますね。ブロンズの像と青葉の雨の印象が自然でいいです。 ★梅雨明けやレースカーテン真っ白に/鬼頭雅子 梅雨が明けて青空が広がると、レースのカーテンの白さが目に付きます。すずしそうですね。 ★白シャツをさらりとアイロン滑りゆく/池田多津子 軽やかな気持ちがいいですね。夏は気持ちを軽くして過ごしたいものですね。 ★ベランダに三日三晩を梅を干し/都久俊 ベランダに梅を干す生活が、新しいですね。ふっくらと、昔ながらのいい梅干ができたことでしょう。 ★滴りに母呼びつ果て壕の戦友/下地鉄 「滴り」に、暗く重いい気持ちと、それを通り過ごしてきて得られた澄んだ気持ちの二つが感じられます。私は被爆2世ですが、戦後も57年になりますね。 ★迅雷やあたふた潜る海の子等/能作靖雄 「あたふた潜る」に、元気な海の子どもたちの姿がよく詠まれています。迅雷と泳ぐ子どもたちに、北陸の海を感じます。 ★川明きの光煌めく飾り塩/青海俊伯 鮎と飾り塩が、特別、清らかです。 ★蚊帳吊草遊びし頃の匂いせり/澤井渥 蚊帳吊草独特のの匂いは、記憶に残るものですね。ふっと匂うその匂いに、幼いころが思い出されます。 ★鬼灯を挿す砥部焼きの白き肌/堀佐夜子 鬼灯が、砥部焼きの花瓶にしっくりと収まって、いい風情がありますね。実のある、しっかりとした句と思います。 ★ピーマンを割って太陽匂い立つ/大給圭泉 畑で、太陽の恵みをしっかり受けた緑の濃いピーマンが目に浮かびます。青臭い匂いピーマンの匂いは、太陽の匂いですね。実感があります。 ★夕焼けて鍬あかあかと畑にあり/宮地ゆうこ ★漁火の見え隠れして浜涼し/馬場江都 ▼選者詠/高橋正子 夏富士の峯の風音を録音 夏富士のラバ冷ゆ窪みに座りけり 星空の澄みし深さへ富士登る ..2002/ 8/22(Thu)4:02 |
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■第1回入賞発表(7月1〜21日)/選評高橋正子 【最優秀/3句】 ★打上げ花火光と音に満たされる/池田多津子 花火の美しさを浮つくことなく、しっかりと詠んでいます。打ち上げ花火を「光と音」とだけで表現していながら、花火の打ち上げられる空や、見物の人の動きまで、思い描くことができます。 ★四万十を雲遡る夏台風/都 久俊 四万十川の清流と、空と山が鮮明な印象です。「雲遡る」は、いい表現ですね。夏台風の感じですね。 ★七夕の風笹薮を渡りけり/馬場江都 七夕であるからこそ、いつもの笹薮も風が豊かにさやさやと感じられます。 【優秀/8句】 ★梅雨曇花苗並ぶ店に寄る/馬場江都 花好きの人なら、花苗を見ればつい立ち寄って見たくなりますね。ちょうど梅雨時に植える花があればうれしいですね。 ★マンゴーの陽から貰いし甘味かな/下地 鉄 マンゴーの色を見ても、食べてみた味も、太陽が育んだものに違いないという実感がわきますね。 ★潮風もともにたたみぬ白日傘/大給圭泉 潮風に吹かれて歩いてきて、日傘を畳むとき、ぴんと張った日傘の襞に潮風が織りこまれる感じがします。それをうまく言っています。 ★梅雨晴れ間ぶらんこの音鳴りやまず/池田多津子 運動場は、梅雨の晴れ間に外に飛び出して遊ぶ子どもたちで賑わっています。ブランコも順番を待ちきれないくらい、休まず誰かが乗って漕いでいるのでしょう。きこきこ鳴るブランコに、梅雨の晴れ間の子どもたちの活動が、リアルに捉えられています。 ★立葵朝の登校一列に/鬼頭雅子 ★鬼灯の朱艶やかに雨上がり/能作靖雄(添削) ★万緑の端は櫓の白き壁/都 久俊 ★どっさりと株分け菖蒲貰いけり/澤井 渥 ▼選者詠/高橋正子 蝉音湧き木立のほかも緑だつ 蝉声の朝日の色をあつあつと 白い皿洗い重ねて夏の水 |